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夏のオリンピック開催地はどこ?ロス・豪州の次と2036年の招致真相

高梨 百萌 高梨 百萌 • 更新: • 公開: • 読了約 12 分
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世界中を熱狂させた2024年パリオリンピックの閉幕以降、スポーツファンの視線はすでに「次の開催地」へと注がれています。4年に1度の祭典が次にどの都市で幕を開け、どのような進化を遂げるのかは、国際情勢や経済トレンドを読み解く上でも極めて重要なテーマです。

現在、夏季五輪は2028年のロサンゼルス、2032年のブリスベンまで開催都市が確定しており、水面下では早くも2036年五輪の誘致合戦が激化しています。かつての莫大な開催費用を伴う招致競争から、持続可能性を重視する新ルールへと舵を切った国際オリンピック委員会(IOC)。本稿では、決定済みの次回開催国から激戦必至の2036年候補地、歴代の歩み、そして気になる日本再招致の現実味までを余すところなく解説します。

【次回開催国】パリの次はどこへ?2028年ロサンゼルス五輪の全貌と注目競技

夏のオリンピック開催地

パリオリンピック2024の熱戦を経て、バトンを受け取った次回開催都市はアメリカのロサンゼルス(LA28)です。開幕は2028年7月14日から7月30日までの17日間にわたり予定されています。ロサンゼルスで夏季五輪が開催されるのは、1932年、1984年に続いて史上最多タイとなる3回目の快挙です。

LA28の最大の特徴は、「新規の恒久施設を一切建設しない」という徹底したインフラ活用方針にあります。1984年大会でも黒字化を達成して五輪ビジネスの転換点となった同市は、今回も既存のスタジアムやアリーナ、大学のキャンパス施設をフル活用。SoFiスタジアムや歴史あるロサンゼルス・メモリアル・コロシアムなどを舞台に、巨額投資を抑えた持続可能なモデルを提示します。

また、日本国内でも大きな関心を集めているのが追加競技のラインナップです。

  • 野球・ソフトボール:東京2020以来の復活となり、MLB(メジャーリーグ)所属選手の参加可否が大きな焦点。
  • フラッグフットボール:本場アメリカの人気スポーツであるアメリカンフットボールの非接触型競技が初採用。
  • クリケット:世界で25億人以上のファンを持つメガスポーツが1900年パリ大会以来の歴史的復活。
  • ラクロス&スカッシュ:伝統競技のラクロス復活に加え、長年親しまれてきたスカッシュが念願の初採用。

大谷翔平選手をはじめとする日本人スター選手の出場期待も相まって、2028年大会は商業的にも競技的にも空前の盛り上がりを見せる公算が高まっています。

【2032年ブリスベン】南半球で32年ぶり開催!新選定プロセスがもたらした変革

ロサンゼルスの次に控えるのが、2032年ブリスベンオリンピックです。開催期間は2032年7月23日から8月8日。オーストラリアでの夏季五輪開催は、1956年メルボルン、2000年シドニーに続く3回目となり、南半球での開催としてはシドニー以来32年ぶりとなります。

ブリスベン大会の決定は、五輪の歴史において重大な転換点となりました。従来の開催都市選びは、名乗りを上げた複数都市が巨額のロビー活動やプレゼン合戦を繰り広げ、IOC総会の投票で一発勝負を決める「過酷な入札方式」でした。しかし、この手法は財政破綻や汚職の温床になりやすいとの批判が噴出。

そこでIOCは「開催都市選定プロセス」を抜本的に刷新しました。「将来開催地委員会」が事前に候補都市と綿密な対話を行い、財政計画や施設計画が最も現実的で持続可能であると判断した都市を優先候補に一本化。その結果、2021年のIOC総会決定によってブリスベンが新プロセス適用の第1号としてスピード選出されました。

クイーンズランド州全域の既存リゾートやスタジアムを活用し、気候変動対策と地域経済の底上げを両立させる「スマート五輪」としての成功が期待されています。

【2036年開催地候補】激化する招致レース!名乗りを上げる立候補都市と勝算

2028年と2032年の開催地が定まった今、世界のスポーツ界と外交筋が最も注視しているのが「2036年五輪の候補地」を巡る動向です。すでに複数の有力国が立候補都市として名乗りを上げ、水面下の対話を進めています。

2036年大会への招致に名乗りを上げている、あるいは強い意欲を表明している主な国・地域は以下の通りです。

  • インド(アーメダバード):モディ首相が国家プロジェクトとして正式に意向を表明。世界一の人口規模と急速な経済成長を背景に、史上初のインド開催を目指して巨大スポーツコンプレックスの整備を推進。
  • カタール(ドーハ):2022年サッカーW杯を成功させた実績と潤沢なオイルマネーを武器に招致。秋・冬開催や冷房完備スタジアムの活用を視野に中東初の夏季五輪を狙う。
  • サウジアラビア(リヤド):「ビジョン2030」のもとスポーツウォッシング批判を払拭すべく大規模投資を継続。2034年サッカーW杯開催を手中に収め、五輪招致への布石を打つ。
  • トルコ(イスタンブール):過去複数回にわたり惜敗してきた悲願の地。アジアとヨーロッパの架け橋としての地理的優位性をアピール。
  • ドイツ(ベルリン・ライン=ルール地域など):1936年ベルリン大会からちょうど100年となる節目の年。民主主義の成熟と脱炭素社会をアピールする共同開催案を模索。
  • 韓国(ソウル):1988年以来の単独開催を目指し、既存インフラの活用による低コスト五輪を提案。

各国が掲げるオリンピック招致理由は、国家のブランド向上、観光産業の起爆剤、国際的プレゼンスの強化など多岐にわたります。IOCは「特定の地域に偏らないグローバルな普及」を意識しており、これまで五輪が開かれたことのない「南アジア(インド)」や「中東地域」への初進出を果たすのか、それとも環境配慮と安定性を重視して欧州・東アジアへ回帰するのか、選考の行方から目が離せません。

【日本再招致の可能性】東京2020の教訓と今後の展望

「再び日本で夏のオリンピックが開催される可能性はあるのか」という問いは、国内で根強く議論されているテーマです。記憶に新しい東京2020オリンピックは、コロナ禍による1年延期、無観客開催、さらには大会後の汚職・談合事件の発覚など、多くの課題と教訓を社会に残しました。

結論から言えば、2030年代〜2040年代前半における日本の夏季五輪再招致は極めてハードルが高いのが実情です。

最大の障壁は、国民感情と巨額の公金投入に対する不信感です。札幌市が目指していた冬季五輪招致が民意の逆風を受けて断念に追い込まれた経緯を見ても、透明性の確保と財政負担の軽減に対する納得感がない限り、国内世論の合意形成は困難を極めます。

しかし、将来的な可能性が完全に閉ざされたわけではありません。IOCが掲げる「アジェンダ2020+5」では、複数都市・複数地域による共同開催や既存施設の100%活用が公式に認められています。もし将来的に日本が再び手を挙げるならば、東京一極集中ではなく、関西圏や全国の既存アリーナを分散活用した「真のコンパクト・低コスト五輪」を提示できるかが唯一の鍵となるはずです。

【歴代開催地一覧】第1回アテネから未来まで一目でわかる夏季五輪年表

1896年の第1回近代オリンピックから、決定済みの2032年ブリスベン大会までの歩みを夏季五輪年表として整理しました。過去の開催地を俯瞰すると、欧米中心だった五輪がアジア、南米、オセアニアへと拡大してきた歴史が一目で分かります。

夏季オリンピック歴代開催都市一覧
回数 開催年 開催都市(国) 備考・主な出来事
第1回 1896年 アテネ(ギリシャ) 近代オリンピックの幕開け
第2回 1900年 パリ(フランス) 万国博覧会と同時開催、女性選手初参加
第3回 1904年 セントルイス(アメリカ) 北米大陸初開催
第18回 1964年 東京(日本) アジア初開催、新幹線開通など戦後復興を象徴
第23回 1984年 ロサンゼルス(アメリカ) 商業五輪モデルの確立、民間資金主導
第24回 1988年 ソウル(韓国) アジアで2都市目の開催
第29回 2008年 北京(中国) 中国初開催、圧倒的スケールの開会式
第30回 2012年 ロンドン(イギリス) 同一都市として史上初の3回目開催
第31回 2016年 リオデジャネイロ(ブラジル) 南米大陸初開催
第32回 2021年 東京(日本) ※2020年から1年延期、原則無観客で開催
第33回 2024年 パリ(フランス) セーヌ川開会式、環境負荷半減モデル
第34回 2028年 ロサンゼルス(アメリカ) 既存施設100%活用、野球復活など
第35回 2032年 ブリスベン(オーストラリア) 新選定プロセス第1号、南半球開催
第36回 2036年 候補都市を選考中 インド、中東、欧州勢などが激しい招致合戦

※第一次世界大戦により1916年ベルリン大会、第二次世界大戦により1940年東京(返上後ヘルシンキ)・1944年ロンドン大会が開催中止となっています。

【夏のオリンピック開催地】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:次の夏のオリンピックはいつ、どこで開催されますか?
A1:次回となる第34回夏季オリンピックは、2028年7月14日〜7月30日にアメリカのロサンゼルスで開催されます。さらにその次となる2032年大会は、オーストラリアのブリスベンでの開催が決定しています。

Q2:2036年のオリンピック開催地はいつ、どのようにして決まりますか?
A2:IOCの新たな選定プロセスに基づき、現在はIOCの「将来開催地委員会」と関心を持つ候補都市(インド、カタール、トルコ、ドイツなど)との間で非公開の対話が進められています。決定時期は明確に定められていませんが、2026年〜2027年頃のIOC総会において正式決定される見通しが有力視されています。

Q3:なぜ同じ都市(ロンドン、パリ、ロスなど)で何度も開催されるのですか?
A3:最大の理由は「インフラの充実とコスト削減」です。近代五輪では巨額のスタジアム建設費や大会後の維持管理が国際的な問題となっています。そのため、過去の開催実績があり、既存の大規模競技場や宿泊施設、交通網をそのまま再利用できるメガシティが、IOCの推進する持続可能性の基準に合致しやすいからです。

パリオリンピックの熱狂から、2028年のロサンゼルス、2032年のブリスベンへと続く夏のオリンピック。巨大化の一途をたどったメガイベントは今、「莫大な国家予算を投じる祝祭」から「既存インフラを活かした持続可能なスポーツフェスティバル」へと明確なパラダイムシフトを遂げています。

今後は、2028年ロサンゼルス大会で採用される追加競技の行方や現地準備の進捗とともに、2036年の開催国を巡る地政学的な駆け引きが国際ニュースの主役となっていくはずです。スポーツの枠組みを超えて世界の未来図を映し出すオリンピック開催地の動向に、引き続き注目していきましょう。

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