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W杯予選で消えたイタリア代表の真相と2026年復活への現在地

荒川 結衣 荒川 結衣 • 更新: • 公開: • 読了約 11 分
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通算4度の世界制覇を誇るサッカー界屈指の伝統国、イタリア代表「アッズーリ」。しかし、2018年のロシア大会、そして2022年のカタール大会と、フットボールの祭典から2大会連続で姿を消すという前代未聞の悲劇に見舞われました。UEFA EURO 2020(欧州選手権)で頂点に立ちながら、なぜ世界最高峰の舞台への切符を掴むことができなかったのでしょうか。

本稿では、イタリア代表を奈落の底へ突き落とした予選敗退の深層を徹底検証します。歴史的敗北のターニングポイントとなった試合の舞台裏から、チームを蝕んでいた構造的欠陥、そしてルチアーノ・スパレッティ監督のもとで2026年北中米ワールドカップ出場権奪還を目指す現在の戦力と復活へのシナリオまでを余すところなく紐解きます。

【悪夢の軌跡】イタリア代表がW杯予選で喫した「2大会連続敗退」の衝撃

ワールドカップ予選イタリア

フットボール界に走った衝撃の大きさは、計り知れないものでした。かつてジャンルイジ・ブッフォンやパオロ・マルディーニ、フランチェスコ・トッティらを擁し、堅守速攻「カテナチオ」で世界を席巻した大国が、2大会連続で本大会出場を逃すという異常事態に陥ったのです。

最初の悪夢は2017年11月でした。ロシアW杯欧州予選プレーオフでスウェーデン代表と対戦したイタリアは、敵地での第1戦を0-1で落とすと、ホームのサン・シーロで行われた第2戦をスコアレスドローで終え、実に60年ぶり(1958年スウェーデン大会以来)の予選敗退を記録しました。

その後、ロベルト・マンチーニ体制下で劇的な復活を遂げ、EURO 2020で53年ぶり2度目の欧州王者に輝いたことで、暗黒期は脱したかに見えました。しかし、さらなる悲劇が待ち受けていました。カタールW杯欧州予選のグループステージを2位で終え、再び回ったプレーオフの準決勝(2022年3月)。パレルモに格下と見られていた北マケドニア代表を迎えた一戦で、後半アディショナルタイムに痛恨の失点を喫し、0-1で敗戦。世界中のサッカーファンが「カタールW杯にイタリアがいない」という現実を突きつけられました。

【敗退の真相】なぜアッズーリは勝てなくなったのか?3つの決定打

EURO王者がなぜ、わずか数か月後に予選敗退の憂き目に遭ったのか。ファンやメディアの間で議論が紛糾したこの問いには、単なる「不運」で片付けられない明確な構造的問題が存在していました。

1. 深刻なストライカー不足と決定力不足

最大の要因は、最前線で確実にゴールを奪えるワールドクラスのCF(センターフォワード)の枯渇です。チーロ・インモービレやアンドレア・ベロッティらはセリエAで実績を残していたものの、代表の舞台では厳しいマークに苦しみ沈黙。EURO 2020ではチーム全体の連動性でカバーしていた得点力が、対戦相手に対策されてスペースを消された途端に完全に機能不全へと陥りました。

2. プレッシャーによる戦術の硬直とPK失敗の連鎖

予選グループステージでの「勝ち点の取りこぼし」が命取りとなりました。特にライバルだったスイス代表との直接対決2試合において、中盤の要であるジョルジーニョが2試合連続でPKを失敗。本来ならグループ1位でストレートインできていたはずの展開を自ら手放し、一発勝負のプレーオフというプレッシャーの渦に飲み込まれていきました。

3. セリエAにおけるイタリア人選手の出場機会減少

クラブレベルの構造的課題も影を落としました。国内リーグであるセリエAにおいて、税制優遇措置(成長令)などの影響もあり、クラブが外国人選手の獲得を優先。その結果、イタリア人若手選手がトップリーグで定位置を確保できない状況が常態化し、代表チームの選手層が薄くなるという悪循環を生み出していました。

【激闘の記憶】北マケドニア戦とスウェーデン戦|プレーオフの明暗

プレーオフという極限状態において、イタリア代表は何に足をすくわれたのか。歴史の転換点となった2つの敗戦を振り返ると、共通する勝負の綾が浮かび上がります。

2017年のスウェーデン戦では、当時のジャンピエロ・ベントゥーラ監督による采配への迷走が露呈しました。第2戦の終盤、得点が必要な場面で守備的MFのダニエレ・デ・ロッシにウォーミングアップを命じ、デ・ロッシ自身が「俺ではなくストライカーのインシーニェを出すべきだ」とベンチで怒りを露わにした場面は、チーム崩壊を象徴するシーンとして語り継がれています。

一方、2022年の北マケドニア戦は、データ上ではイタリアの完全なワンサイドゲームでした。シュート数32本対4本、ボール支配率65%。幾度となく決定機を作りながらも枠を捉えきれず、焦燥感がスタジアムを包み込んだ後半92分、アレクサンダル・トライコフスキに放たれたミドルシュートがゴールネットを揺らしました。圧倒的に攻め続けながらワンチャンスに沈むという、フットボールの残酷さを象徴する一戦となったのです。

【名門の歴史】ワールドカップにおけるイタリア代表の歴代成績

イタリア代表は本来、ブラジル(優勝5回)、ドイツ(優勝4回)と並び、W杯の歴史を築き上げてきた超大国です。過去の栄光と近年の低迷を比較すると、その落差は歴然としています。

大会年 開催国 イタリア代表の最終成績
1934年 イタリア 優勝(初制覇)
1938年 フランス 優勝(2連覇)
1970年 メキシコ 準優勝
1982年 スペイン 優勝(パオロ・ロッシの躍進)
1994年 アメリカ 準優勝(決勝でブラジルにPK戦惜敗)
2006年 ドイツ 優勝(4度目の世界制覇)
2010年 南アフリカ グループステージ敗退(1勝もできず)
2014年 ブラジル グループステージ敗退
2018年 ロシア 欧州予選敗退(プレーオフ敗退)
2022年 カタール 欧州予選敗退(プレーオフ敗退)

2006年のドイツ制覇以降、アッズーリはW杯本大会の決勝トーナメントに進出することすらできていません。黄金期を知るファンにとって、この10年余りの衰退はまさに信じがたい現実でした。

【2026年最新】スパレッティ監督の戦術と注目すべき新世代メンバー

2023年夏、電撃辞任したマンチーニの後を継ぎ、前季にナポリを33年ぶりのセリエA制覇へ導いたルチアーノ・スパレッティ監督が就任しました。スパレッティは従来の守備的なカルチョの概念をアップデートし、流動的なポジショナルプレーとハイプレスを融合させたモダンサッカーの構築に着手しています。

現在のイタリア代表は、かつてのベテラン依存から脱却し、若返りを推進しています。

  • 守備の柱:アレッサンドロ・バストーニ(インテル)、リッカルド・カラフィオーリ(アーセナル)ら、ビルドアップに長けた新世代のモダンセンターバック陣。
  • 中盤の支配者:ニコロ・バレッラ(インテル)、サンドロ・トナーリ(ニューカッスル)がもたらす豊富な運動量とインテンシティ。
  • 最前線の光明:アルゼンチン出身でイタリア国籍を選択したマテオ・レテギや、成長著しい若手アタッカー陣がストライカー問題の解決策として定着。

2026年北中米大会から出場枠が従来の32か国から48か国へと大幅拡大され、欧州枠も「13」から「16」へと増加しました。とはいえ、欧州予選は各組1位のみがストレートイン、2位は過酷なプレーオフへ回るフォーマットとなっており、油断は一切許されません。

【ワールドカップ予選 イタリア】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:イタリア代表がワールドカップに出場できなかったのは通算で何回ありますか?
A1:これまでに本大会不参加となったのは、第1回1930年ウルグアイ大会(不参加)、1958年スウェーデン大会(予選敗退)、2018年ロシア大会(予選敗退)、2022年カタール大会(予選敗退)の計4回です。特に2大会連続での予選敗退はイタリアサッカー史上初めての出来事でした。

Q2:2026年W杯欧州予選でイタリアが本大会出場を決める条件は?
A2:欧州予選のグループステージでグループ1位になれば無条件で本大会出場権を獲得できます。2位に終わった場合は、UEFAネーションズリーグの上位チームを交えた16チームによるプレーオフ(トーナメント方式)を勝ち抜かなければなりません。

Q3:なぜEUROで優勝できたのにW杯予選では敗退してしまったのですか?
A3:短期決戦のEURO 2020では勢いと高い結束力、完璧な戦術的噛み合わせが機能しましたが、長期戦となる予選ではフェデリコ・キエーザらの負傷離脱、対戦相手の引いて守る守備ブロックへの対応力不足、そして重圧下でのPK失敗など、選手層の薄さと決定力不足が浮き彫りになったためです。

2大会連続の予選敗退という深い傷を負ったイタリア代表ですが、その挫折は名門再生のための痛みを伴う改革の契機となりました。スパレッティ監督による戦術の刷新、インテルやプレミアリーグで躍動する若手実力者たちの台頭により、チームのポテンシャルは確実に底上げされています。

青きユニフォームが12年ぶりにワールドカップのピッチに立つその瞬間を、世界中が待ち望んでいます。2026年北中米大会へ向けたアッズーリの挑戦から、一瞬たりとも目が離せません。

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トレンドリサーチャー 荒川 結衣
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音楽・舞台・配信番組を8年取材。出演情報は所属事務所や主催者の公式発表のみを採用し、取得日を本文に残します。

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