ホーム 芸能ニュース・ゴシップ 将棋の駒数は全部で何枚?40枚の内訳と箱に41枚ある理由を徹底解説

将棋の駒数は全部で何枚?40枚の内訳と箱に41枚ある理由を徹底解説

高梨 百萌 高梨 百萌 • 更新: • 公開: • 読了約 12 分
目次

藤井聡太竜王・名人をはじめとするトップ棋士たちの熱戦が連日メディアを賑わせ、老若男女を問わず将棋への関心が高まり続けています。自分で盤上に駒を並べて指してみたいと考えたとき、最初に直面する素朴な疑問が「将棋の駒の数は全部で何枚あるのか」という点と考えられます。

公式の対局で盤上に並ぶ駒は全部で40枚ですが、市販の将棋セットを開けると「41枚」や「42枚」入っているケースが珍しくありません。本記事では、将棋の駒の正確な内訳から全8種類の役割、駒箱に1枚多く入っている「余り歩」の歴史的背景、さらには美しい並べ方の作法まで、日本将棋連盟の公式規定や駒職人の取材データを交えてわかりやすく解き明かします。

【基本データ】将棋の駒数は全部で40枚|全8種類の内訳一覧

将棋の駒数

将棋の対局で使用する駒は、先手(自分)と後手(相手)を合わせて合計40枚です。お互いに20枚ずつを持ち駒・盤上駒として配置した状態で対局がスタートします。

盤上に配置される駒は全部で8種類存在し、それぞれ動かせる方向や役割、枚数が厳格に定められています。日本将棋連盟の公式規定に基づく駒の内訳は以下の通りです。

駒の種類(名称) 合計枚数(1セット) 各自の持ち分(初期) 主な役割と特徴
玉将・王将(ぎょく・おう) 2枚 1枚 自軍の最高指導者。詰まされると即座に敗北となる。
飛車(ひしゃ) 2枚 1枚 縦横に何マスでも進める最強の攻撃駒(大駒)。成ると「竜王」。
角行(かくぎょう) 2枚 1枚 斜めに何マスでも進める遠距離攻撃駒(大駒)。成ると「竜馬」。
金将(きんしょう) 4枚 2枚 守備の要であり、トドメの攻めにも活躍。成ることはできない。
銀将(ぎんしょう) 4枚 2枚 前進力と斜めの動きに優れる攻守の主力。成ると「成銀」。
桂馬(けいま) 4枚 2枚 他の駒を飛び越えて前方の斜め2カ所に進める。成ると「成桂」。
香車(きょうしゃ) 4枚 2枚 前方へ何マスでも直進できる(やり)。成ると「成香」。
歩兵(ふひょう) 18枚 9枚 前方に1マス進む最前線の兵士。成ると金と同じ動きの「と金」。
合計 40枚 20枚 盤面(9×9=81マス)のうち約半分を占めて対局開始

全40枚の中で最も大きな割合を占めるのが歩兵(18枚)であり、全体の45%に達します。一方で、ゲームの展開を大きく左右する飛車・角行の枚数はそれぞれ2枚(各自1枚)しかなく、序盤・中盤・終盤のすべてにおいて極めて貴重な戦力として扱われます。

なぜ将棋セットは41枚入り?「余り歩」が存在する理由

新しく高級な銘駒や普及用の将棋セットを購入した際、駒箱を開けて数えてみると「41枚(場合によっては42枚)」入っていることがあります。対局で使うのは40枚であるにもかかわらず、なぜ1枚多く入っているのでしょうか。

この余分に入っている1枚は、将棋界や職人の世界で「余り歩(あまりふ)」と呼ばれています。余り歩が存在する理由は、単なる入れ間違いではなく、歴史的かつ実用的な3つの背景に基づいています。

① 紛失リスクへの実用的な備え
歩兵は全駒の中でサイズが最も小さく、かつ18枚という最多の枚数が使われます。畳の隙間に入り込んだり、持ち運びの際に落としたりして紛失する確率が最も高いため、予備としてあらかじめ1枚余分に同梱する習慣が定着しました。

② 駒師(職人)の技術を示す「見本」としての役割
山形県天童市をはじめとする伝統工芸の駒師たちは、銘駒を制作する際、漆の乗り具合や彫りの深さ、木目の美しさを最も端的に表す歩兵を余分に1枚作り、自らの会心の出来栄えを証明する「顔」として添えてきました。

③ 記念銘やサインを刻む文化
高級駒の場合、余り歩の裏面に作者の号(雅号)や制作年月、あるいは購入者の記念銘を彫り込む特別なサービスが行われることもあります。

対局を行う際は、この余り歩を駒箱の中に残したまま、正規の40枚だけを盤上に出すのが正式なマナーです。

初期配置の並べ方と作法|「大橋流」と「伊藤流」の手順

対局を始める前、40枚の駒を盤上に正しく並べるプロセスにも、伝統的な作法と美学が存在します。将棋の初期配置は、自陣の3段目(手前側から1〜3列目)に20枚を配置します。

江戸時代から受け継がれている正式な並べ方には、「大橋流(おおはしりゅう)」と「伊藤流(いとうりゅう)」の2大流派があります。現代のプロ公式戦でも、すべての棋士がいずれかの手順に則って駒を並べています。

◆ 大橋流(最も一般的で標準的な並べ方)
1. 盤面中央の底(自陣1段目中央)に「王将(または玉将)」を据える。
2. 左金 → 右金 → 左銀 → 右銀 → 左桂 → 右桂 → 左香 → 右香の順に下段を埋める。
3. 2段目の左に「角行」、右に「飛車」を配置する。
4. 3段目の歩兵を中央(5筋)から左右交互(5→6→4→7→3→8→2→9→1)に並べる。

◆ 伊藤流(歩兵を先に並べる実戦的な作法)
大橋流と同様に王将から桂馬まで並べた後、香車を置く前に3段目の歩兵を左から順に並べ、最後に左右の香車を配置して飛車・角を据える手順をとります。これは「槍(香車)の前に歩兵を出陣させる」という軍学上の縁起を重んじた並べ方とされています。

どちらの並べ方を用いても最終的な初期配置は全く同じになりますが、駒を1枚ずつ丁寧に据える所作そのものが、対局相手への敬意と精神集中の儀礼として重んじられています。

【比較検証】チェスとの駒数・構造の違いと「持ち駒ルール」の革命性

世界の代表的なマインドスポーツであるチェスと将棋を比較すると、駒の総数やゲームデザインにおいて決定的な違いが見えてきます。

チェスの駒数は白黒合わせて32個(各自16個)であり、将棋の40枚よりも8枚少なくなっています。しかし、最大の違いは駒数そのものではなく、「取った相手の駒を自分の戦力として再利用できるか否か」というルール設計にあります。

チェスでは、相手の駒を取ると盤外へ永久に除外されます。そのため、終盤戦に進むにつれて盤上の駒数は確実に減少し、戦力差がつくと引き分け(ステイルメイト)や一方的な展開になりやすい構造を持っています。

対して日本の将棋は、16世紀の戦国時代末期に確立されたとされる「持ち駒ルール」により、取られた駒が相手の手駒となって盤上に再び打ち込まれます。盤上の総戦力(40枚)が絶対に減少しないため、終盤になるほど攻撃の選択肢が爆発的に増加し、劇的な大逆転劇が生まれる要因となっています。

一般に知られていない盲点とネット上の誤解

将棋の駒数に関しては、初心者や一般愛好家の間でいくつかの誤解が見られます。正しい知識を整理しておきましょう。

誤解①:「王将」と「玉将」で強さや役割が違う?
文字の表記は異なりますが、動きやルール上の価値は完全に同等です。伝統的に、上位者(段位が上、または前年度のタイトル保持者など)が「王将」を持ち、下位者が「玉将」を持ちます。双方が玉将を用いるセットも存在します。

誤解②:「歩」が成って「と金」になると駒数は増える?
敵陣に入って成ったとしても、駒自体の枚数が増減するわけではありません。裏返ることで金将と同等の強力な動きを手に入れますが、相手に取られた場合は「歩兵」に戻って相手の持ち駒となります。

誤解③:40枚揃っていなくても対局は成立する?
公式ルール上、1枚でも欠けている状態(駒落ち戦などのハンデ戦を除く平手対局)では公式記録として成立しません。紛失したまま対局を始めると「二歩」や配置の狂いなど重大な反則につながるため、対局前の駒数確認は必須の手順です。

【実態検証】駒の数え方と購入時に後悔しないためのチェックポイント

将棋駒を新しく購入する際や、自宅の古い駒を整理する際には、正しい点検手順を踏むことが重要です。

プロの現場や愛好家の間では、駒を数える際に「1枚、2枚」と数えるのが標準的です(チェスのような立体的な駒は「個」、伝統的な平駒は「枚」を用います)。

【プロの結論】将棋セットを選ぶ際のおすすめ基準

これから将棋を本格的に始める方や、家族へのプレゼントとして将棋セットを検討している場合、以下の基準を参考にすることをおすすめします。

◆ 初心者・子ども向け(おすすめ:スタディ将棋やプラスチック製普及駒)
駒の動きが矢印で印字されているタイプや、水洗い可能で頑丈なプラスチック駒(40枚セット)が最適です。紛失時の買い直しも容易で、気軽に対局を楽しめます。

◆ 本格的に学びたい方・一生モノを求める方(おすすめ:木製彫駒・41枚入り)
黄楊(つげ)や楓(かえで)の木材を使用し、しっかり「余り歩」が含まれる41枚セットの木製駒を推奨します。指したときの心地よい響き(駒音)と手触りが、上達へのモチベーションを大きく引き上げてくれます。

【将棋の駒の数】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:将棋の駒を数えるとき、正しい単位は何ですか?
A1:将棋の駒は平らな五角形の木片で作られているため、一般的に「枚(まい)」と数えます。一部で「個」と呼ぶ場合もありますが、公式戦や棋界では「枚」が標準的な単位です。

Q2:大将棋や中将棋など、昔の将棋は何枚の駒を使っていたのですか?
A2:歴史上には多様な将棋が存在しました。例えば、室町時代に流行した「中将棋」は92枚(21種類)、「大将棋」は130枚(29種類)、最も巨大な「大局将棋」ではなんと802枚(209種類)もの駒が使われていました。現代の本将棋(40枚)は、洗練を極めて無駄を削ぎ落とした完成形と言えます。

Q3:余り歩が2枚入っていて全部で42枚あるセットがあるのはなぜですか?
A3:一部の高級銘駒やオーダーメイド品では、歩兵の書体違い(異なる筆跡の見本)や、万全の紛失対策として予備を2枚同梱しているケースがあります。こちらも対局時には使用せず、箱に保管しておきます。

将棋の駒数は、対局で使う盤上の40枚(各自20枚)、そして予備や職人の魂が込められた「余り歩」を加えた41枚という構成が基本となっています。

わずか40枚の木片でありながら、「持ち駒」という循環システムによって指し手の組み合わせは宇宙の原子数をも超えるといわれる無限の広がりを見せます。駒の数や並べ方の作法、歴史的背景を正しく理解することで、日々の観戦や実際の対局はより一層奥深いものになるはずです。

同じカテゴリの記事

高梨 百萌

レシピは材料・手順を実際に検証して公開。栄養や効能の記述は公的資料の出典を明記します。

おすすめの関連記事